結論求人広告代理店とは、求人媒体を運営する媒体社の販売代理店として、企業に媒体と掲載プランを提案・販売する会社です。媒体社に直接申し込む直販との違いは、扱える媒体の範囲、窓口と契約の数、提案の起点、原稿と掲載後の支援、料金と見積もりの出方の5つです。
「代理店から営業の電話が来たけれど、媒体に直接申し込むのと何が違うのか、代理店を通すと高くなるのかがわからない」——求人広告を出そうとして代理店という選択肢に出会ったとき、まず浮かぶのがこの疑問ではないでしょうか。
検索上位に並ぶ解説記事の多くは、代理店自身が書いたものです。「料金は直販と同じです」と書かれていても、それを確かめる手がかりまでは示されていません。今回確認した検索上位10ページにも、出典を示したものは見当たりませんでした。
この記事では、媒体社・厚生労働省・業界団体が公開している資料で確かめられる範囲に絞って、求人広告代理店の取引の仕組みとお金の流れ、直販との5つの違い、メリットとデメリット、向いている会社の判断表、依頼したあとの流れと求人企業に残る責任を整理します。公式の資料で確かめられないことは「確認できない」と書いています(確認日はいずれも2026年10月12日)。
求人広告代理店とは?結論から|媒体社の商品を企業に提案・販売する会社
求人広告代理店とは、媒体社と代理店契約を結び、企業の採用条件に合わせて媒体とプランを提案し、申込みや入稿を代わりに進める会社です。原稿づくりや掲載後の改善まで引き受ける会社もあり、媒体社に直接申し込む直販とは、比べられる媒体の幅と窓口の数が大きく違います。
この記事の要点
- 求人広告代理店は、媒体社の販売代理店として企業に求人媒体を提案・販売する会社。原稿づくりや掲載後の改善まで引き受ける会社もある
- dodaが公開している図では、企業から代理店へ「利用料金」、代理店からパーソルキャリアへ「マージンを差引」、パーソルキャリアから代理店へ「販売支援・サポート」が示されている
- 直販との違いは、扱える媒体の範囲・窓口と契約の数・提案の起点・原稿と掲載後の支援・料金と見積もりの出方の5つ
- 「代理店を通しても掲載料金は直販と同じ」は代理店各社の解説に目立つ説明だが、確認した媒体社の公式ページには明記がない。同じ企画名・期間で公式料金と照らし合わせて確かめる
- 使う媒体が1つに決まっているなら直販、複数の媒体を比べたい・原稿や改善まで任せたいなら代理店が向く
- 2022年10月施行の改正職業安定法で、求人企業には求人情報の的確な表示が義務付けられている。代理店に原稿を任せても、掲載前の確認は自社で行う
| 観点 | 直販(媒体社に直接申し込む) | 代理店を通す |
|---|---|---|
| 扱える媒体の範囲 | その媒体社の商品に限られる | 代理店が契約している媒体の範囲で選べる |
| 窓口と契約の数 | 媒体ごとに契約・請求・入稿が分かれる | 1社の窓口にまとめられる |
| 提案の起点 | 自社の媒体をどう使うか | 扱う媒体の中からどれを選ぶか |
| 原稿と掲載後の支援 | 選ぶ企画と契約で範囲が変わる | 代理店が作る場合も、媒体社の制作が入る場合もある |
| 料金と見積もりの出方 | 媒体社の公式料金が基準になる | 媒体に払う料金と代理店に払う費用を分けて確かめる |
媒体を運営する会社のことを、業界では「メーカー」と呼ぶこともあります。この記事では、求人媒体を運営する会社を「媒体社」と書きます。5つの違いは、このあとの「直販との違い」の節で、確かめ方とあわせて詳しく整理しています。
代理店に頼むと決めていて、候補の会社を比べたい場合は、評価軸10指標で比べた首都圏の求人広告代理店おすすめ比較ランキングをご覧ください。
取引の仕組み|企業・代理店・媒体社の三者とお金の流れ
求人広告代理店を通す取引は、企業・代理店・媒体社の三者で成り立ちます。企業は代理店に申し込んで代金を払い、代理店は媒体社に入稿して代金を払い、媒体社は代理店に販売支援を行います。代理店の収益は、媒体社とのあいだのマージンと、企業から受け取る手数料や制作費に分かれます。
企業
求人を出す会社
→↓ 申込み・代金
←↑ 提案・原稿づくり・掲載後の改善
代理店
媒体社の販売代理店
→↓ 入稿・代金(マージンを差引)
←↑ 販売支援・営業資料・研修
媒体社
求人媒体を運営する会社
直販の場合:企業 ⇄ 媒体社(申込み・代金/提案・掲載)を直接やりとりする
| 区間 | 動くもの | 公式で確認できる例 |
|---|---|---|
| 企業 → 代理店 | 申込み・代金 | dodaの図に、企業から代理店への「利用料金」の矢印 |
| 代理店 → 企業 | 媒体とプランの提案、原稿づくり、掲載後の改善(範囲は代理店による) | dodaの図に、代理店から企業への「doda提案・中途採用支援」の矢印 |
| 代理店 → 媒体社 | 入稿・代金 | dodaの図に、代理店からパーソルキャリアへの「マージンを差引」の矢印 |
| 媒体社 → 代理店 | 販売支援 | dodaは渉外担当が代理店と一緒に提案先の採用課題に向き合い、営業同行や研修を行うと案内。マイナビ転職は営業同行、営業資料の共有、制作チームによる原稿制作の代行を案内 |
| 企業 ⇄ 媒体社(直販) | 申込み・代金、提案・掲載 | 媒体社の営業窓口と直接やりとりする |
dodaの公開例|代理店の取り分は媒体社への支払いの段階で差し引かれる
パーソルキャリアは、doda(デューダ)の販売代理店を募集するページで、取引の流れを図にして公開しています。図には、企業から代理店への矢印に「利用料金」、代理店からパーソルキャリアへの矢印に「マージンを差引」、パーソルキャリアから代理店への矢印に「販売支援・サポート」と書かれています。代理店の取り分は、媒体社へ代金を渡す段階で差し引かれる形だと読み取れます。
同じページのよくある質問では、「マージンはいくらでしょうか?」に対して「詳細は直接ご説明させていただきます」と答えており、率は公開されていません。また、この図は代理店になる会社に向けた説明で、企業が代理店に払う金額が直販と同じかどうかは図から読み取れません。同じような図を公開している媒体社は、今回確認した範囲ではdodaだけでした。ほかの掲載課金型の媒体で同じ仕組みかどうかは、公式の資料では確かめられません。代理店の取り分が見積書のどこに表れるかは、代理店のマージンが見積書のどこに表れるかで整理しています。
運用型(Indeedなど)は、広告費とは別に運用手数料がかかるのが一般的
Indeedのようにクリックごとに費用がかかる運用型の媒体では、代理店に運用を任せると、広告費とは別に運用手数料がかかるのが一般的です。Indeed公式は「Indeed が提供する広告商品は、Indeed 認定パートナーである代理店を通してのご利用が可能です」と案内しており、企業が自分で有料オプションを設定して掲載する方法もあります。手数料の型と目安は、Indeed運用代行の手数料3タイプで扱っています。
媒体社が公開している代理店制度
代理店との関係を公式に説明している媒体社は、今回確認した範囲ではIndeed、doda、マイナビ転職の3つです。いずれも、代理店に対する認定や販売支援の仕組みを持っています。
| 媒体社・媒体 | 制度の名前 | 公式に書かれていること | 発注する側にとっての意味 |
|---|---|---|---|
| Indeed | 認定パートナー・特別認定パートナー | 認定パートナーは「Indeed 広告の販売代理店として公式に認定された代理店」。認定パートナーのうち「特に優れた実績のあるパートナー」に特別認定を行い、プラチナム・ゴールド・シルバー+・シルバーの4区分で掲載。区分ごとの基準は公表されていない | 認定の有無は公式の一覧で確かめられる。区分は品質の保証ではない |
| doda(パーソルキャリア) | 販売代理店・dodaパートナー認証制度 | 販売代理店の契約は法人のみで、契約前に審査がある。2026年7月1日のプレスリリースによると、認証制度は実績・成果・取り組みを総合的に勘案してランク別に認証し、売上規模のみでなく「顧客対応品質」と「両社の共創関係」を重視。最上位はdoda-PRIMEパートナー2026 | dodaと直接契約している代理店かを確かめる手がかりになる |
| マイナビ転職 | 販売パートナー | マイナビ転職代理店統括部が、営業同行、営業資料の共有、制作チームによる原稿制作の代行などで販売パートナーを支える。半期ごとに中途媒体の売上額の多いパートナーを表彰し、報奨金を支給 | 原稿を代理店と媒体社のどちらが作るかは、案件ごとに確かめる |
リクルート(タウンワーク・リクナビNEXTなど)、エン・ジャパン、ディップについては、今回の確認では代理店制度を説明する公式ページを見つけられませんでした。区分の読み方はIndeedの特別認定パートナー区分の読み方、マイナビ系の媒体を代理店経由で使う場合はマイナビ転職の販売パートナー制度と代理店の選び方で詳しく扱っています。
この表からわかるのは、代理店の側に媒体社の販売支援や表彰・報奨の仕組みがあるという事実です。編集部としては、それがどの媒体を勧めるかに影響する余地もあると考えています。代理店の提案を受けたら、「ほかにどの媒体と比べて、この媒体にしたのか」を聞いておくと、提案の根拠が見えやすくなります。
「一次代理店」「二次代理店」は業界の呼び方
一次代理店・二次代理店は、媒体社と直接、代理店契約を結んでいるかどうかで区別する業界の呼び方です。媒体社・厚生労働省・業界団体の資料には、この区分の定義は見当たりません。確かめるときは、使いたい媒体ごとに「その媒体社と直接、代理店契約を結んでいますか」と聞いてください。dodaは公式に、販売代理店の契約を法人に限り、契約前に審査を行うと明記しています。
業界団体の公益社団法人全国求人情報協会は、入会案内で会員を2つに分けています。正会員は自社が運営・発行するメディアで求人情報を提供する事業者、賛助会員は「代理店や人材サービス事業など、自社メディアを発行・運営は行っていない」事業者です。業界団体も、代理店を媒体を運営する会社とは別の立場として扱っていることがわかります。
直販との違い|5つの観点で比べる
求人広告代理店と直販の違いは、扱える媒体の範囲、窓口と契約の数、提案の起点、原稿と掲載後の支援、料金と見積もりの出方の5つです。どちらが得かは会社の条件で変わるため、5つを自社に当てはめて比べます。
| 観点 | 直販 | 代理店 | 確かめ方 |
|---|---|---|---|
| 1. 扱える媒体の範囲 | その媒体社の商品 | 契約している媒体の範囲 | 代理店の公式サイトの取扱媒体を、ロゴ画像の表記まで確認する |
| 2. 窓口と契約の数 | 媒体ごとに契約・請求・入稿 | 1社の窓口にまとめられる | 契約の相手と請求書の単位を確認する |
| 3. 提案の起点 | 自社の媒体をどう使うか | 扱う媒体の中からどれを選ぶか | 「どの媒体と比べてこれを選んだか」を聞く |
| 4. 原稿と掲載後の支援 | 企画と契約によって原稿制作やフォローの範囲が変わる | 代理店が作る会社も、媒体社の制作チームが入る仕組みもある | 原稿の作り手と、修正を頼む窓口を聞く |
| 5. 料金と見積もりの出方 | 媒体社の公式料金が基準 | 掲載課金型は公式料金との関係を見積もりで確認、運用型は広告費と手数料が別 | 同じ企画名・掲載期間で公式料金と照らし合わせる |
1と2は、複数の媒体を使うほど差が大きくなる観点です。3と4は、代理店ごとの体制で差が出る観点で、契約の前に聞いて確かめるしかありません。5の料金は、次の表のとおり、公式に確かめられることと確かめられないことが分かれます。
| 確かめた先 | わかったこと |
|---|---|
| 媒体社の公式ページ | doda販売代理店ページとプレスリリース、Indeed認定パートナー制度、マイナビ転職販売パートナーページのいずれにも、代理店経由の掲載料金が直販と同じだという明記は見当たらない |
| 代理店各社の解説 | 検索上位の解説では「同じ」「原則同じ」「大差ない」とする説明が目立つ(上位10ページのうち7ページ)。出典を示したものは見当たらない |
| 媒体社自身の割引 | dodaの複数原稿のチケット割引、マイナビ転職の長期掲載チケットは公式に案内されている(2026年10月6日確認)。代理店経由だけの割引は公式に確認できない |
| 確かめ方 | 同じ企画名・同じ掲載期間で、媒体社の公式料金と見積書の掲載料金を照らし合わせる。差があれば中身を聞く |
公式料金は媒体ごとに公開の範囲が違います。照らし合わせる先は、媒体ごとの公式料金の一覧にまとめています。見積書の掲載料金が公式料金と同じなら掲載料金への上乗せはなく、差がある場合は、その差で何をしてもらえるのかを確かめてください。
代理店に頼むメリット・デメリット|業態の仕組みから出るもの
求人広告代理店に頼むメリットは、複数の媒体を1つの窓口で比べられ、原稿づくりや掲載後の改善まで任せられることです。デメリットは、提案が扱える媒体の範囲に限られること、運用型の媒体では広告費とは別に手数料がかかるのが一般的なこと、担当者や制作の体制で品質に差が出ることです。
メリット
複数の媒体を扱う業態だから得られること
- 複数の媒体を同じ条件で比べられる。扱う媒体を並べて提案できる立場にあるため
- 契約・請求・入稿の窓口が1つになる。媒体ごとの手続きを代理店がまとめるため
- 原稿づくりを任せられる。代理店が作る場合も、媒体社の制作が入る場合もある
- 掲載後の原稿の修正や、媒体の切り替えを提案してもらえる。どこまで行うかは会社による
デメリット
同じ仕組みの裏側で起こりうること
- 扱っていない媒体は提案に出てこない。提案の範囲は契約している媒体に限られるため
- 提案が特定の媒体に寄る余地を、仕組みとして否定できない。媒体社ごとに販売支援や表彰・報奨の制度があるため
- 運用型の媒体では、広告費とは別に運用手数料がかかるのが一般的
- 担当者や制作の体制、取引が何社を経由するかで、品質と伝達の速さに差が出る
メリット・デメリットは、媒体社の公式ページ(2026年10月12日確認)で確かめられる取引の仕組みから整理したものです。個々の代理店の体制によって当てはまり方は変わります。
直販にも、メリットとデメリットがあります。代理店と並べて見ると、どちらが自社に合うかを考えやすくなります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 媒体の仕様や企画を媒体社から直接聞ける。媒体社が公開している料金と同じ物差しで見積もりを読める |
| デメリット | ほかの媒体と比べた提案は受けにくい。複数の媒体を使うと、契約と入稿が媒体の数だけ増える |
代理店のデメリットは、依頼する前の確認で小さくできます。取扱媒体を公式サイトで確かめる、比べた媒体を聞く、広告費と手数料を分けた見積もりをもらう、原稿の作り手と担当者が続けて対応するかを確かめる、の4つです。Indeedの運用を代理店に頼むか自社で運用するかで迷っている場合は、姉妹サイトのIndeed代理店のメリット・デメリット|業種別の効き方と判断基準で整理しています。
代理店が向く会社・直販が向く会社|判断表
使う媒体が1つに決まっていて、原稿を自社か媒体社で用意できるなら直販、複数の媒体を比べたい、職種や拠点が多い、原稿や掲載後の改善まで任せたいなら代理店が向いています。決めきれないときは、両方から同じ条件で提案と見積もりを取ります。
| 自社の条件 | 向く窓口 | 理由 |
|---|---|---|
| 使う媒体がすでに決まっている | 直販 | 媒体を比べる提案が要らないため、媒体社の窓口で足りる。同じ媒体を扱う代理店の見積もりと比べてもよい |
| どの媒体がよいかから決めたい | 代理店 | 扱う媒体を並べて提案を受けられる |
| 正社員とアルバイトなど、雇用形態や職種が複数ある | 代理店 | 媒体をまたいだ組み合わせを1つの窓口で組める |
| 拠点が複数あり、エリアで媒体を変えたい | 代理店 | エリアごとの媒体の使い分けをまとめて任せられる |
| 原稿を自社で書ける、または媒体社の制作に任せたい | 直販 | 原稿づくりを代理店に頼む理由が小さい |
| 掲載後の改善に割ける時間が社内にない | 代理店 | 原稿の修正や媒体の切り替えの提案を受けられる |
| Indeedなどの運用型を使う | 3種類から選ぶ | 窓口はセルフ運用・Indeed公式サポート・認定パートナーの3種類(Indeedの新規掲載の窓口3種類) |
採用人数や予算の大きさだけでは、どちらが向くかは決まりません。決めきれないときは、次の手順で直販と代理店の両方から提案と見積もりを取り、同じ物差しで並べます。
- 媒体名・企画名・掲載期間・職種をそろえて、直販と代理店の両方に依頼する
- 届いた見積もりの掲載料金を、同じ企画・同じ期間どうしで並べる
- 含まれる作業(原稿づくり・修正・レポート)を並べ、金額の差と作業の差を見比べる
代理店に依頼したあとの流れ|原稿の確認と求人内容の責任は求人企業に残る
求人広告代理店に依頼したあとの流れは、ヒアリング、媒体とプランの提案、申込み、原稿づくりと求人企業の確認、入稿と媒体社の審査、掲載、掲載後の見直しの順です。代理店に原稿を任せても、掲載内容の確認と、募集終了や条件変更の連絡は求人企業が行います。
依頼から掲載までの流れ(誰が何をするか)
ヒアリング(企業・代理店)
職種、採用したい人数、入社してほしい時期、予算、これまでの応募の状況を伝えます。
媒体とプランの提案、見積もり(代理店)
提案された媒体のほかに、どの媒体と比べたのかを聞いておきます。
申込み・契約(企業・代理店)
契約の相手、請求の単位、運用型の媒体では広告アカウントの名義を確かめます。
原稿づくりと確認(代理店または媒体社の制作、確認は企業)
掲載前に、自社の誰が原稿の内容を最終確認するかを決めておきます。
入稿と審査(代理店・媒体社)
媒体社が掲載前に原稿を審査します。業界団体の掲載基準では、新規の求人企業について所在と事業内容を確認するとされています。
掲載(媒体社)
求人が媒体に掲載されます。
掲載後の見直し(代理店・企業)
応募の状況を見て、原稿の修正や媒体の変更を検討します。募集の終了や条件の変更は、企業から代理店に伝えます。
審査や掲載開始までにかかる日数は、媒体や時期によって異なり、公式に横並びで確かめられないため、この記事では書いていません。依頼するときに、掲載開始の見込みを代理店に確認してください。
改正職業安定法で、求人企業に残る責任
2022年10月に施行された改正職業安定法により、求人企業には求人情報の的確な表示が義務付けられました。代理店に原稿づくりを任せる場合でも、この義務は求人企業にあります。
法令・業界基準
代理店に原稿を任せても、求人内容を正確・最新に保つのは求人企業の義務
厚生労働省のリーフレット「求人企業の皆さま」は、求人企業に対して、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、求人情報を正確・最新の内容に保たなければならないと案内しています。募集を終えたり内容を変えたりしたら速やかに反映すること、求人メディアなどを使っている場合は反映を依頼すること、いつの時点の情報かを明らかにすること、求人メディアなどから訂正を頼まれたら速やかに対応することが挙げられています(職業安定法第5条の4)。
同じ的確な表示の義務は、求人メディアなどの事業者にも課されています。確認した厚生労働省の資料(改正のポイント、求人企業向けと募集情報等提供事業者向けのリーフレット、改正法のQ&A、業務運営要領)には「代理店」という語は見当たらず、代理店がどの規定に当たるかは業務の中身で判断されます。求職者の情報を集める求人メディアなど(特定募集情報等提供事業者)は、事業を始める前に厚生労働大臣への届出が必要です(同法第43条の2)。
業界団体の公益社団法人全国求人情報協会の掲載基準では、会員の媒体は、募集条件が求人企業の責任であることを説明し、内容が正確である旨の確認を取ってから掲載するとしています。人事担当者などの確認署名を得るよう努めること、求人企業の承諾なく求人情報を改変して掲載しないことも定めています。
依頼する側が決めておくこと
原稿の最終確認者を社内で決める。募集の終了や条件の変更を代理店に伝える経路と期限を決めておく。校了した原稿の記録を残す。
出典:厚生労働省「求人企業の皆さま」「職業安定法 改正のポイント」「募集情報等提供事業の業務運営要領」、全国求人情報協会「倫理綱領と掲載基準」(いずれも2026年10月12日確認)
依頼する前に確かめること|業態と契約の形を見極める6項目
求人広告代理店に依頼する前は、使いたい媒体を扱えるか、その媒体社と直接契約しているか、見積もりが媒体名・企画名・期間で書かれているか、原稿の作り手と最終確認者は誰かを確かめます。代理店どうしを比べる基準は別の記事で扱っています。
- 使いたい媒体を扱っているか:代理店の公式サイトの取扱媒体を、ロゴ画像の表記まで確かめる
- 媒体社と直接、代理店契約を結んでいるか:制度の名前で聞く(Indeedなら認定パートナーかどうか、など)
- 見積もりの形:媒体名・企画名・掲載期間で書かれ、媒体に払う掲載料金と代理店に払う費用が分かれているか(詳しい確認項目は見積もりで確かめる5つの項目)
- 原稿の作り手と確認者:原稿は誰が作り、掲載前に自社の誰が確認するか
- 変更の伝え方:募集の終了や条件の変更をどう伝え、いつ反映されるか
- 運用型のアカウント:広告アカウントの名義と、解約や切り替えのときの引き継ぎ条件(代理店を切り替えるときの引き継ぎ)
6項目は、代理店の良し悪しではなく、取引の形を確かめるためのものです。候補の代理店どうしを比べる基準と手順は求人広告代理店の選び方7つの基準で、代理店に払う費用の内訳は求人広告代理店の費用・料金相場で整理しています。
代理店を比べて決めるなら
求人広告代理店を比べて決めるときの進め方は、先に比べる基準を決め、候補の会社をその基準で並べることです。当サイトでは首都圏の代理店を評価軸10指標で比較しており、基準の決め方と比べる手順も公開しています。
比べる基準を先に決めたい場合は、求人広告代理店の選び方7つの基準で、確かめる観点と相見積もりの進め方を整理しています。
候補の会社を一覧で見たい場合は、首都圏の求人広告代理店おすすめ比較ランキングで、各社の取扱媒体や体制を評価軸10指標に沿って比べています。
代理店に頼むと決めたら、次は候補の比較です。首都圏の代理店を評価軸10指標で比べています。
首都圏の求人広告代理店おすすめ比較ランキングを見るよくある質問
Q求人広告代理店とは何ですか?
求人広告代理店とは、求人媒体を運営する媒体社の販売代理店として、企業に媒体の掲載プランを提案・販売する会社です。原稿の作成や掲載後の改善まで引き受ける会社もあり、扱う複数の媒体を1つの窓口で比べられる点が、媒体社に直接申し込む直販との大きな違いです。
Q求人広告代理店と直販の違いは何ですか?
求人広告代理店と直販の違いは、扱える媒体の範囲、窓口と契約の数、提案の起点、原稿と掲載後の支援、料金と見積もりの出方の5つです。とくに大きいのは媒体の範囲で、直販は媒体社が自社の媒体を提案し、代理店は扱っている複数の媒体を並べて提案できます。
Q求人広告代理店はどこから収益を得ているのですか?
求人広告代理店の収益は、媒体社とのあいだのマージンと、企業から受け取る運用手数料や制作費に分かれます。dodaが公開する図では、代理店からパーソルキャリアへの流れに「マージンを差引」と示されています。掲載料金が直販と同じかは媒体社の公式ページに明記がないため、同じ企画名・掲載期間で公式料金と照らし合わせてください。
Q求人広告代理店に頼むメリットとデメリットは何ですか?
求人広告代理店に頼むメリットは、複数の媒体を1つの窓口で比べられること、原稿づくりや掲載後の改善を任せられることです。デメリットは、提案が扱える媒体の範囲に限られること、運用型の媒体では広告費とは別に手数料がかかるのが一般的なこと、担当者や制作の体制で品質に差が出ることです。
Q代理店と直販はどちらを選べばよいですか?
使う媒体が1つに決まっていて、原稿を自社か媒体社で用意できるなら直販、複数の媒体を比べたい、職種や拠点が多い、原稿づくりや掲載後の改善まで任せたいなら代理店が向いています。迷う場合は、直販と代理店の両方から同じ条件で見積もりと提案を取って比べます。
Q一次代理店・二次代理店とは何ですか?
一次代理店・二次代理店は、媒体社と直接、代理店契約を結んでいるかどうかで区別する業界の呼び方で、媒体社や行政が定めた区分ではありません。確かめるときは、使いたい媒体ごとに「媒体社と直接契約していますか」と聞き、原稿や入稿の窓口がどこになるかもあわせて確認します。
Q代理店に原稿を作ってもらえば、求人内容の責任は代理店にありますか?
代理店に原稿を作ってもらっても、求人内容を正確・最新に保つ義務は求人企業にもあります。2022年10月施行の改正職業安定法では、求人企業に求人情報の的確な表示が義務付けられ、求人メディアを使う場合は募集の終了や内容変更の反映を依頼することも求められています。掲載前の原稿は自社で必ず確認してください。
まとめ|代理店か直販かは「使う媒体が決まっているか」で分かれる
求人広告代理店とは、媒体社の販売代理店として企業に求人媒体を提案・販売する会社です。代理店に頼むか直販にするかは、使う媒体がすでに決まっているか、複数の媒体を比べたいかで分かれます。
取引は企業・代理店・媒体社の三者で成り立ち、dodaが公開している図では、代理店からパーソルキャリアへの流れに「マージンを差引」、パーソルキャリアから代理店へ「販売支援・サポート」と示されています。
直販との違いは、扱える媒体の範囲、窓口と契約の数、提案の起点、原稿と掲載後の支援、料金と見積もりの出方の5つです。代理店経由の掲載料金が直販と同じかどうかは、確認した媒体社の公式ページに明記がありません。同じ企画名・同じ掲載期間で公式料金と見積書を照らし合わせ、差があればその中身を確かめてください。
代理店に原稿を任せても、求人情報を正確・最新に保つ義務は求人企業に残ります。原稿の最終確認者と、募集の変更を伝える経路を決めてから依頼しましょう。代理店に頼むと決めたら、求人広告代理店の選び方7つの基準で比べる観点を決め、首都圏の求人広告代理店おすすめ比較ランキングで候補を見比べてください。
出典:Indeed 公式「Indeed 認定パートナー制度」/パーソルキャリア 公式「doda 求人広告販売代理店募集」/パーソルキャリア株式会社 プレスリリース「販売代理店を評価する制度「dodaパートナー認証制度」最上位「doda-PRIMEパートナー2026」認証企業10社を発表」(2026年7月1日)/マイナビ 公式「マイナビ転職 求人広告販売パートナー(代理店)募集」/厚生労働省「職業安定法 改正のポイント」/厚生労働省「求人企業の皆さま」/厚生労働省「募集情報等提供事業の業務運営要領」/全国求人情報協会「倫理綱領と掲載基準」/全国求人情報協会「入会のご案内」/全国求人情報協会「定款」。Webページはいずれも2026年10月12日確認(媒体社自身の割引の記述のみ2026年10月6日確認)。

