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求人広告の採用単価の相場|1人あたりの費用と下げ方【首都圏】

求人広告の採用単価の相場を解説する図。計算式と、単価を動かす採用手法・職種の求人倍率・入社までの歩留まりの3要素を示している。
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結論求人広告の採用単価は、採用にかかった費用の合計を採用できた人数で割った金額です。厚生労働省の調査では、インターネットの求人情報サイト経由の採用1件あたり平均コストは正社員28.5万円・非正社員10.8万円と報告されています。ただしこの数値は全国・全職種の平均で、実際の単価は職種の求人倍率とエリアの需給で大きく動きます。比べるべきは相場との差ではなく、自社の採用単価が前回より下がっているかどうかです。

「うちの採用単価って、高いんでしょうか」——見積書の話がひと通り終わったあとで、この質問をいただくことがよくあります。金額の妥当性を判断する物差しが、手元にないからですね。

この記事では、採用単価の計算式と、公的統計で確認できる水準値を整理します。そのうえで、首都圏の採用市況と職種の求人倍率が単価をどう押し上げるのか、そして単価を下げるために何から手をつければいいのかまでを、判断材料としてお伝えしますね。数値は出典と確認日を項目ごとに明記し、統計で示せる範囲と、幅をもって見ていただきたい範囲を本文の中で区別しています。

林田 結衣 林田 結衣

採用単価のご相談で最初に確認するのは、分母と分子の定義です。同じ会社でも、担当者の人件費を入れるかどうかで金額は倍ほど変わります。他社の数字と比べる前に、まず自社の中で定義を固定するところから始めましょう。


目次

採用単価とは|計算式と、費用に含める範囲

採用単価とは、採用活動にかかった費用の合計を、実際に採用できた人数で割った金額です。1人あたり採用コストとも呼ばれます。求人広告費だけを指す言葉ではない点が、まず押さえておきたいところです。

この記事の要点

  • 採用単価は「採用にかかった費用の合計 ÷ 採用できた人数」で計算する
  • 厚生労働省の調査では、求人情報サイト経由の採用1件あたり平均コストは正社員28.5万円・非正社員10.8万円
  • 同じ調査で、民間職業紹介事業者経由は正社員85.1万円と、手法によって水準が大きく違う
  • 首都圏の有効求人倍率は「就業地別」で見る。東京都は受理地別1.70倍に対し就業地別は1.06倍
  • 職種別の有効求人倍率は建設躯体工事7.85倍から一般事務0.28倍まで開いており、単価の差はここから生まれる
  • 単価を下げる打ち手は、広告費の削減より先に、応募から採用までの歩留まりの改善に効き目がある
  • 相場との比較よりも、自社の採用単価を同じ定義で継続して測るほうが判断に使える

01

外部コスト

求人広告の掲載費、運用代行手数料、人材紹介の成功報酬、採用サイトや動画の制作費、会場費など、社外に支払った費用です。金額が請求書に残るため、集計しやすい部分です。

02

内部コスト

採用担当者の人件費、面接に出た社員の工数、紹介制度の謝礼などです。請求書が出ないため見落とされがちですが、選考に人手をかける会社ほど、ここが単価を押し上げます。

03

分母となる採用人数

内定を出した人数ではなく、実際に入社した人数で割ります。内定辞退が多い会社ほど単価は跳ね上がるため、この定義を先に決めておくことが比較の前提になります。

この記事で扱う数値は、断りのない限り外部コストを中心にした金額です。世の中で語られる採用単価の多くも外部コストベースですので、自社の数字と比べるときは、まず同じ範囲で計算しているかを確認してください。内部コストまで入れた金額と、広告費だけの金額を並べても、比較としては成立しません。

ここを押さえる

採用単価は職種ごと・雇用形態ごとに分けて計算してください。全社の総額を全採用者数で割った1つの数字は、経営報告には使えても改善には使えません。営業職とパート事務では相場そのものが違うため、まとめた平均値からは打ち手が出てこないためです。


採用手法別の1人あたり採用コスト|公的統計で確認できる水準

採用単価の水準を公的な調査で確認すると、採用手法によって金額が大きく違うことがわかります。厚生労働省が労働政策審議会に提出した「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」の求人企業調査に、採用1件あたりにかかる平均コストが手法別に整理されています。

28.5万円

求人情報サイト経由・正社員1人あたり

10.8万円

求人情報サイト経由・非正社員1人あたり

85.1万円

民間職業紹介事業者経由・正社員1人あたり

37.2%

正社員の入職経路に占める求人情報サイト

採用1件あたりにかかる平均コスト(採用手法別)
採用手法 正社員 非正社員 金額の性格
スカウトサービス 91.4万円 44.0万円 候補者を個別に探す分、手法のなかで最も高い水準
民間職業紹介事業者 85.1万円 19.2万円 採用が決まってから支払う成功報酬型が中心
求人情報誌・チラシ 11.2万円 7.7万円 エリアを絞った募集で使われる
新聞広告・屋外広告 7.1万円 4.5万円 掲載単位の費用で、採用数によって単価が動く
インターネットの求人情報まとめサイト 6.4万円 3.2万円 回答数が少なく、参考値として見る必要がある
知り合い・社員等からの紹介(縁故) 4.4万円 3.4万円 謝礼が中心で、募集の費用はほとんど発生しない
自社ホームページ等からの直接応募 2.8万円 2.7万円 制作費を除けば、募集ごとの追加費用が小さい
SNS 0.9万円 0.2万円 費用は小さいが、母集団の確保は別の課題になる

出典:厚生労働省 第326回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料1-3「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要(求人企業に対する調査)」(2026年8月17日確認)。同資料の公表は令和3年9月で、金額は調査時点のものです。回答数は手法ごとに異なり、スカウトサービスの非正社員(n=5)のように回答が少ない項目が含まれるため、金額の小さい手法ほど幅をもって見る必要があります。

この表を見ていただくと、同じ1人の採用でも、手法を変えるだけで金額の桁が変わることがわかります。ここが採用単価を考えるうえでの出発点です。単価が高いという課題は、多くの場合「高い媒体を使っている」ことより「高い手法に寄りすぎている」ことから生まれています。

林田 結衣 林田 結衣

同じ調査で、採用手段を選んだ理由として「採用に係るコストが安い」を挙げた割合は、ハローワークが82.9%、自社ホームページ等からの直接応募が74.4%でした。安い手法があることは、みなさんご存じなんですね。それでも求人広告を使うのは、必要な人数と期限を満たせるかどうかが別の問題だからです。単価だけで手法を選ぶと、今度は採用できないという結果になります。


首都圏の採用市況は「就業地別」の有効求人倍率で見る

採用単価は、募集するエリアの需給によって上下します。首都圏の市況を見るときに気をつけたいのが、有効求人倍率には就業地別と受理地別の2種類があり、東京都では数字が大きく食い違うという点です。

首都圏1都3県の有効求人倍率(令和8年6月・季節調整値)
エリア 就業地別 受理地別 読み取り方
全国計 1.18倍 1.18倍 全国で見れば2つの数字は一致する
東京都 1.06倍 1.70倍 本社機能が集中し、受理地別が大きく膨らむ
神奈川県 1.03倍 0.84倍 県内で働く求人は、受理された求人より多い
埼玉県 1.13倍 0.99倍 同上。就業地別のほうが実感に近い
千葉県 1.26倍 0.97倍 1都3県で就業地別の倍率が最も高い
南関東(1都3県) 1.09倍 全国計を下回る

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」第6表-1・第6表-2(いずれも新規学卒者を除きパートタイムを含む/2026年8月17日確認)。地域別の南関東は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県で構成されます。

受理地別は、求人を受け付けたハローワークの所在地で集計した数字です。本社が東京にある企業が全国の拠点向けの求人を東京で出せば、東京の受理地別の倍率が上がります。一方の就業地別は、実際に働く場所で集計した数字です。首都圏で人を採るときの競争の激しさを見るなら、就業地別を使ってください。

首都圏だけの採用単価を示した公的統計はありません

採用手法別の1人あたりコストは全国調査の数値で、都県別の内訳は公表されていません。したがって「首都圏の採用単価は◯万円」と示せる一次情報は、現時点では存在しません。この記事では、全国の水準値と、首都圏の需給を示す有効求人倍率という2つの公的統計を分けて提示しています。両者を掛け合わせて首都圏の単価を推計した数字は、当サイトでは相場として扱いません。

市況の変化も単価に効いてきます。同じ統計で、令和8年6月の新規求人(原数値)を前年同月と比べると、サービス業(他に分類されないもの)が11.5%増、製造業が10.4%増、宿泊業・飲食サービス業が5.4%増となった一方、情報通信業は6.4%減、卸売業・小売業は2.6%減、教育・学習支援業は2.2%減でした(2026年8月17日確認)。求人が増えている業種では競合が増え、同じ広告費でも応募が集まりにくくなります。


職種によって採用単価はここまで変わる

採用単価の差を生む最大の要因は、エリアよりも職種です。同じ首都圏の同じ会社でも、募集する職種が変われば必要な広告費は何倍にもなります。その背景は、職業別の有効求人倍率を見ると数字で確認できます。

職業別の有効求人倍率(全国計・令和8年6月・常用〈パート含む〉)
職業 有効求人倍率 採用単価への影響
建設躯体工事従事者 7.85倍 1人の求職者を8社近くで奪い合う。単価は高止まりしやすい
土木作業従事者 5.97倍 同上。掲載期間の長期化が単価を押し上げる
保安職業従事者 5.85倍 継続募集が前提になり、年間の総額で見る必要がある
介護サービス職業従事者 3.70倍 採用しても定着しなければ再募集となり、単価が積み上がる
自動車運転従事者 2.42倍 条件面の差が応募数に直結しやすい
接客・給仕職業従事者 2.30倍 非正社員中心で1件あたりは低いが、母数が多く総額は膨らむ
営業職業従事者 2.01倍 正社員採用の中心層で、広告費と選考工数の両方がかかる
商品販売従事者 1.69倍 エリアの店舗密度によって難易度が変わる
情報処理・通信技術者 1.33倍 倍率は中位でも、紹介手法に寄るため実際の単価は高くなりやすい
職業計 1.01倍 全職業の平均値
一般事務従事者 0.28倍 求職者のほうが多い。単価は低く抑えやすい
美術家、デザイナー、写真家、映像撮影者 0.15倍 応募は集まりやすいが、選考の工数が単価に乗る

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)」参考統計表7-1(全国計・常用〈パート含む〉/2026年8月17日確認)。表の「採用単価への影響」欄は、倍率の数値そのものではなく、編集部が実務上の傾向として整理した見方です。

建設躯体工事従事者の7.85倍と一般事務従事者の0.28倍では、同じ採用活動という言葉で括るのが難しいほど状況が違います。倍率が高い職種は、広告を出しても比較検討される相手が多いため、掲載期間が延び、その分だけ単価が上がります。逆に倍率が低い職種は、広告費よりも応募者を絞り込む選考の工数が単価を押し上げます。

ここを押さえる

自社の採用単価が相場より高いと感じたら、まず募集職種の有効求人倍率を確認してください。倍率が3倍を超える職種であれば、単価が平均を上回るのは市況として自然な結果です。この場合に取るべき手は広告費の削減ではなく、掲載期間を短くするための条件面の見直しになります。


媒体費から採用単価を逆算する

これから募集を始める段階では、実績の採用単価がまだありません。その場合は、媒体費の見込みから逆算して目標を置きます。手順は、想定する広告費を応募数で割って応募単価を出し、そこに選考の歩留まりを掛けて採用単価に換算するという流れです。

CASE 1

応募単価から採用単価を逆算する

仮の数字による計算例です。相場を示すものではありません

前提

月の広告費を30万円、運用代行手数料を広告費の20%として、支払総額は36万円。1か月の応募が30件だったとします。

応募単価

36万円 ÷ 30件 = 1件あたり1.2万円。まずここまでが、運用代行が直接動かせる範囲の数字です。

歩留まりを掛ける

応募30件のうち面接に進むのが10件、内定が3件、入社が2件だったとすると、採用単価は36万円 ÷ 2名 = 18万円になります。

同じ広告費でも単価が変わる場所

応募30件・入社1名なら採用単価は36万円で、倍に跳ね上がります。広告費も応募数も同じなのに単価が変わるのは、面接以降の歩留まりが違うためです。単価を下げる余地は、広告費よりもこちら側にあることが少なくありません。

逆算に使う歩留まりは、自社の過去の実績から取ってください。業界の一般的な数値を借りてくると、その時点で自社の実態から離れます。過去のデータがない場合は、最初の3か月を測定期間と割り切って、実数を貯めることを優先してください。

なお、この計算で使う応募単価そのものの考え方と、広告費と手数料の切り分け方についてはIndeed運用代行の費用相場で詳しく扱っています。媒体をまたいだ料金体系の全体像——掲載課金型・成果報酬型・運用型・完全無料型という4つの類型と、採用区分別の媒体費の目安——は求人広告代理店の費用・料金相場に整理していますので、予算の総額を組む段階の方はそちらもあわせてご覧ください。


相場を踏まえた採用予算の設計手順

採用単価の水準がつかめたら、次は年間の予算に落とし込みます。順番を間違えると、途中で予算が尽きるか、使い残して翌年の枠を削られるかのどちらかになります。次の4段階で組んでください。

STEP 1

職種ごとに採用人数と期限を決める

予算は「年間で何人」ではなく「どの職種を、いつまでに、何人」で組みます。期限が近い職種ほど単価が上がるため、期限の設定そのものが予算額を決めます。前年の欠員補充が何月に発生したかを見ておくと、期限の置き方が現実的になります。

STEP 2

職種ごとに目標単価を置く

公的統計の水準値と、募集職種の有効求人倍率を見比べて、上振れする職種と抑えられる職種を分けます。全職種を同じ単価で組むと、倍率の高い職種で必ず不足します。倍率の低い職種で浮かせた分を、高い職種に回す設計にしてください。

STEP 3

手法を組み合わせて配分する

すべてを求人広告で賄う必要はありません。自社ホームページからの直接応募や社員紹介は、統計上も1件あたりのコストが小さい手法です。広告で母集団を作りながら、単価の低い経路を並行して育てると、年間の平均単価は下がります。

STEP 4

上限と停止の条件を先に決める

予算の上限と、掲載を止める条件を運用の開始前に決めておきます。Indeedの有料オプションは任意の予算と掲載終了日を設定したうえで有効になり、Indeed PLUSでは採用が決まったタイミングで停止できると公式に案内されています。止める判断を誰が行うかまで決めておいてください。

この4段階のうち、実務で最も飛ばされやすいのがSTEP 2です。目標単価を置かずに走り出すと、月次の報告を受けても高いのか安いのかを判断できず、結果として何も変えられないまま予算だけが消化されます。


採用単価が上がってしまう3つのパターン

採用単価が想定を超えてしまうケースには、共通する形があります。次の3つは、媒体の選び方より、進め方に原因があるものです。

内定辞退と早期離職を、単価の計算に入れていない

採用単価の分母は入社した人数です。内定を10人出して2人しか入社しなければ、単価は5倍になります。さらに入社後3か月で辞めてしまえば、同じ職種をもう一度募集することになり、その分の費用が翌期の単価に乗ります。募集の入口だけを見ていると、この積み上がりが見えません。

応募が集まらないので、広告費を積み増している

応募が来ないときに最初に手をつけたくなるのが増額です。ただ、原稿の内容や条件面が原因で応募が止まっている場合、広告費を増やしても表示回数が増えるだけで、単価は上がる一方になります。増額の前に、表示回数・クリック率・応募数のどこで落ちているのかを切り分けてください。

単価の低い経路を、まったく育てていない

統計上、自社ホームページからの直接応募と社員紹介は、1件あたりのコストが小さい手法です。ここが機能していない会社は、必要な人数のすべてを有料の経路で賄うことになります。採用ページの整備や紹介制度の設計は成果が出るまで時間がかかりますが、着手していない期間はずっと平均単価が高いままになります。


採用単価を下げるために、先に効く打ち手

単価を下げると聞くと、まず広告費の削減を思い浮かべる方が多いのですが、順番としては後ろのほうです。効き目の大きい打ち手から並べると、次のようになります。

効き目が出るまで時間がかかる打ち手

着手は早いほうがよい

  • 採用ページを整備し、直接応募の経路を作る
  • 社員紹介の制度を設計し、社内に定着させる
  • 入社後の受け入れを見直し、早期離職を減らす
  • 過去の応募データを蓄積し、歩留まりを把握する
  • 募集条件そのものを、市況に合わせて見直す

今月から数字が動く打ち手

効果の確認も早い

  • 面接日程の連絡を、応募当日中に返す運用にする
  • 応募フォームの入力項目を減らし、離脱を防ぐ
  • 採用が決まった職種の掲載を、その日のうちに止める
  • 倍率の低い職種の広告費を削り、高い職種に回す
  • 原稿の職種名を、検索される表現に書き換える

右側は広告費を変えずに単価が下がる打ち手です。応募から面接までの歩留まりが上がれば、同じ費用でも分母が増えるためです。左側は成果が出るまで数か月かかりますが、着手が遅れるほど平均単価は高いままになります。

  • 職種ごと・雇用形態ごとに採用単価を分けて計算している
  • 分母は内定者数ではなく入社者数で統一している
  • 応募・面接・内定・入社の各段階の人数を記録している
  • 募集職種の有効求人倍率を確認したうえで目標単価を置いている
  • 採用が決まった時点で掲載を止める担当者が決まっている
  • 直接応募と社員紹介の件数を、有料経路と分けて集計している
  • 入社後3か月・6か月の在籍状況を採用単価に反映している
  • 前年同期の単価と並べて、上下の要因を説明できる

このうち特に確認が漏れやすいのが、最後から2番目の項目です。採用単価は募集が終わった時点で確定するものではなく、入社した方が定着して初めて確定します。3か月で辞めた1名は、単価の計算上は採用できていないのと同じ扱いになるためです。

林田 結衣 林田 結衣

先ほどの厚生労働省の調査で、採用手段を選んだ理由として「就職後の離職率が低い」を挙げた割合は、知り合い・社員等からの紹介が44.8%と突出していました。ほかの手段はいずれも数%です。紹介経路が単価の面で強いのは、支払う金額が小さいからだけではなく、辞めにくいぶん分母が目減りしないからでもあるんですね。


相場から外れた見積もりを見抜く

採用単価の水準を持っておくと、見積もりを受け取ったときの判断が変わります。金額そのものより、その金額で何人採用できる前提なのかを確認してください。

01

想定採用人数が書かれているか

総額だけの見積もりでは単価を計算できません。何名の採用を想定した提案なのかを明記してもらえば、割り算だけで妥当性を判断できます。ここを避ける提案は、根拠が薄い可能性があります。

02

職種ごとに分かれているか

倍率の違う職種をまとめて1つの予算にした提案は、難易度の高い職種で不足が出ます。職種別に配分が示されていれば、どこに無理があるかを事前に指摘できます。

03

未達だったときの扱いがあるか

想定人数に届かなかった場合に、追加掲載の費用が発生するのか、期間を延長するのかが決まっているかです。ここが未定のまま進むと、実際の採用単価は提案時の想定を超えます。

「無料」と説明された条件は書面で確認する

厚生労働省のハローワークインターネットサービスは、無料と説明されたのに後日請求書が届く悪質なケースがあるとして注意を呼びかけ、利用にあたって費用をしっかり確認するよう案内しています(2026年8月17日確認)。採用単価を計算するうえでも、後から発生した費用が集計から漏れると、実態より安く見える数字ができあがります。課金の開始時点、契約期間、自動更新の扱いを、口頭ではなく書面で受け取ってから判断してください。

相場より極端に安い提案を受け取ったときは、その金額で想定している採用人数を必ず確認してください。単価が安いのではなく、想定人数が少ないだけということがあります。逆に高く見える提案でも、想定人数が多ければ単価としては妥当な場合があります。判断の物差しは、常に割り算をしたあとの金額です。


採用単価の視点で代理店を比べる4つの評価軸

採用単価を下げるという目的で代理店を選ぶ場合、見るべき点は掲載の安さではありません。当サイトでは首都圏の代理店を10の指標で加重評価していますが、単価の観点で特に効いてくるのは次の4つです。指標の定義と重み配分は編集方針・評価方法のページで公開しています。

  • 15% A. 採用設計・コンサル力 採用人数と期限から逆算して、職種ごとの配分を設計できるか。単価が下がるかどうかは、掲載を始める前の設計の段階でほぼ決まります。
  • 15% G. Indeed PLUS時代の運用力 媒体をまたいだ配信の組み替えができるか。単価の高い経路に依存せず、職種ごとに向いた媒体へ配分を寄せられる体制かどうかを見てください。
  • 5% F. 定着支援・採用後フォロー 採用後の定着まで視野に入れているか。重み自体は補助的ですが、早期離職は分母を直接削るため、採用単価という文脈では優先して確認したい軸です。
  • 5% E. 成果の可視化・レポーティング 応募数だけでなく、面接・内定・入社の各段階まで記録が残るか。単価を継続して測るには、この記録が毎月そろっていることが前提になります。

重み配分としては、AとGが主要な指標、FとEは補助的な指標という位置づけです。それでも採用単価の記事でFとEを挙げているのは、単価が「いくら払ったか」ではなく「何人が入社し、その後も在籍しているか」で決まる数字だからです。代理店選びの全体的な進め方は求人広告代理店の選び方で整理しています。

参照した公式情報

株式会社メディアプロダクション

東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15F/求人メディア総合代理店

  • 主要媒体を網羅し、最適な選択肢を提案できると公式に記載
  • ターゲット・競合・エリア特性などを踏まえ、最も成果が出る媒体・プランを設計すると公式に明示
  • 求人原稿の制作チームを社内に保有(写真撮影・キャッチコピー策定にも対応)
  • 掲載後は効果の進捗を確認し、原稿修正・媒体変更などの改善提案を継続実施
  • Indeed特別認定パートナーの区分はシルバー(Indeed公式のパートナー一覧で確認)
メディアプロダクション公式サイトで確認する

複数媒体をまたいで配分を組み替えられる体制を持つ1社として、編集部が確認できた範囲を挙げています。上から4項目は同社公式サイト、区分はIndeed公式の認定パートナー一覧で確認しました(いずれも2026年8月17日確認)。料金プランは公開されていないため、想定採用人数を伝えたうえでの見積もり確認が必要です。他社を含めた10指標での比較は【首都圏】Indeed代理店 おすすめ比較ランキング10選をご覧ください。

パートナーランクの上下と、採用単価は別の話

Indeedの特別認定パートナーはプラチナム・ゴールド・シルバー+・シルバーの4区分に分かれますが、各区分の認定基準は公表されていません。区分は取扱の規模を示す事実であり、その代理店に任せたときの採用単価が高いか安いかを示すものではありません。上位区分だから単価が下がる、下位区分だから割高といった一般化はできませんので、想定採用人数を揃えた見積もりで比べてください。制度の構造はIndeedパートナーランキングの正しい見方で整理しています。

自社の採用単価が高いのか、それとも職種の市況なのか。切り分けの段階からで構いません。編集部で数字の読み解きをお手伝いしています。

編集部に相談する

よくある質問

Q求人広告の採用単価の相場はいくらですか?

厚生労働省が労働政策審議会に提出した求人企業調査では、インターネットの求人情報サイト経由の採用1件あたり平均コストは正社員28.5万円、非正社員10.8万円と報告されています。同じ調査で民間職業紹介事業者経由は正社員85.1万円、自社ホームページ等からの直接応募は2.8万円と、手法によって金額が大きく異なります。いずれも全国・全職種の平均で、都県別や職種別の内訳は公表されていません。自社の水準を判断する際は、募集職種の有効求人倍率とあわせて見てください。

Q採用単価はどうやって計算しますか?

採用にかかった費用の合計を、実際に入社した人数で割ります。費用には求人広告費や運用代行手数料などの外部コストに加えて、採用担当者の人件費や面接に出た社員の工数といった内部コストも含める考え方があります。どこまでを含めるかで金額が大きく変わるため、社内で定義を固定してから計算してください。分母は内定者数ではなく入社者数を使い、職種ごと・雇用形態ごとに分けて算出すると、改善の打ち手が見えやすくなります。

Q首都圏は地方より採用単価が高くなりますか?

都県別の採用単価を示した公的統計はないため、断定はできません。参考になるのは有効求人倍率です。厚生労働省の一般職業紹介状況では、令和8年6月の就業地別の有効求人倍率は全国計1.18倍に対し、千葉県1.26倍、埼玉県1.13倍、東京都1.06倍、神奈川県1.03倍でした。首都圏は求職者の母数が多いため、倍率だけを見れば全国平均を下回ります。一方で競合となる企業の数も多く、掲載期間が延びやすいという別の要因があります。

Q職種によって採用単価はどのくらい変わりますか?

職業別の有効求人倍率を見ると、令和8年6月の全国計で建設躯体工事従事者7.85倍、保安職業従事者5.85倍、介護サービス職業従事者3.70倍に対し、一般事務従事者は0.28倍でした。倍率が高い職種は求職者の奪い合いになるため掲載期間が延び、その分だけ単価が上がります。倍率の低い職種は広告費を抑えやすい一方で、応募者を絞り込む選考の工数が単価に乗ります。全職種を同じ目標単価で組まず、職種ごとに水準を分けて設計してください。

Q採用単価を下げるには何から手をつければいいですか?

広告費の削減より先に、応募から入社までの歩留まりを見てください。同じ広告費でも、応募30件から2名採用できる場合と1名しか採用できない場合では、採用単価が倍違います。今月から数字が動く打ち手としては、面接日程の連絡を応募当日に返す、応募フォームの入力項目を減らす、採用が決まった職種の掲載をその日のうちに止めるといった運用面の改善が効きます。並行して、採用ページからの直接応募や社員紹介など、1件あたりのコストが小さい経路を育ててください。

Q採用単価が相場より高いかどうかは、どう判断しますか?

公表されている平均値との比較だけでは判断できません。統計の数値は全国・全職種の平均であり、募集職種の求人倍率や採用の期限によって妥当な水準が変わるためです。実務で使えるのは、自社の採用単価を同じ定義で継続して測り、前年同期や前回の募集と比べる方法です。上がっている場合は、応募数が減ったのか、面接以降の歩留まりが落ちたのか、内定辞退や早期離職が増えたのかを切り分けてください。要因ごとに打ち手がまったく違います。


まとめ|採用単価は相場ではなく、自社の実数で持つ

求人広告の採用単価は、採用にかかった費用の合計を入社した人数で割った金額です。厚生労働省の調査では、求人情報サイト経由の1件あたり平均コストは正社員28.5万円・非正社員10.8万円と報告されていますが、これは全国・全職種の平均であり、首都圏だけの水準や職種別の内訳を示した公的統計は存在しません。

単価の差を生む最大の要因は職種です。有効求人倍率は建設躯体工事従事者の7.85倍から一般事務従事者の0.28倍まで開いており、この差がそのまま掲載期間と広告費の差になります。首都圏の市況を見るときは、本社機能の集中で数字が膨らむ受理地別ではなく、実際に働く場所で集計した就業地別の倍率を使ってください。

そして単価を下げる打ち手は、広告費の削減より先に、応募から入社までの歩留まりと、入社後の定着にあります。同じ費用でも、入社に至る人数が増えれば単価は下がるためです。相場との比較は出発点として使い、そこから先は自社の実数を同じ定義で測り続けてください。前回より下がっているかどうかのほうが、平均値との差より、はるかに多くのことを教えてくれます。

出典:厚生労働省 第326回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料1-3「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要(求人企業に対する調査)」(令和3年9月公表/2026年8月17日確認)/厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」(2026年8月17日確認)/Indeed 公式「掲載の仕組みと流れ」(2026年8月17日確認)/厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「求人広告掲載時のトラブルについて」(2026年8月17日確認)/株式会社メディアプロダクション 公式サイト(2026年8月17日確認)

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